grandな独り言

思考を長々と書き連ねただけ

【WCS2022】四神バドオーガ

どうも、grandです。

 

今回はWCS2022で使用した構築についてその経緯ともに紹介したいと思います。

剣盾で作成した構築の中でも一番気に入った構築に仕上がっているので、最後までお付き合い頂けると幸いです。

 



 

 

 

 

個体紹介

バドレックス(はくばじょうのすがた) じんばいったい

持ち物 じゃくてんほけん

わんぱく 207(252)-186(4)-214(196)-×-155(36)-73(20) 

リザードランス/ヘビーボンバー/てだすけ/トリックルーム

A221ザシアンのA+1きょじゅうざん最高乱数切り耐え
C161リザードンのキョダイゴクエン(150)最高乱数切り耐え
C202カイオーガの雨命の珠ダブルダメージ潮吹き確定耐え
S-2最速80族+1

 

カイオーガ あめふらし

持ち物 たべのこし

ひかえめ 207(252)-×-135(196)-192(36)-162(12)-112(12)

こんげんのはどう/れいとうビーム/めいそう/まもる

A194ゴリランダーのグラスフィールド奇跡の種グラススライダー最高乱数切り耐え
S-2最速黒バドレックス+1
S-1最速100族+1
CD2n

 

レジエレキ トランジスタ

持ち物 いのちのたま

ひかえめ 159(28)-×-81(84)-167(252)-86(124)-223(20)

ライジングボルト/ボルトチェンジ/はかいこうせん/まもる

A194ゴリランダーの奇跡の種キョダイコランダ+珠ダメージをDM時最高乱数切り耐え
C183イベルタルの命の珠ダイアーク(130)確定耐え
最速黒バドレックス+1

 

リザードン サンパワー

持ち物 ヨロギのみ

おくびょう 157(28)-×-99(4)-157(220)-106(4)-167(252)

ぼうふう/ブラストバーン/ソーラービーム/まもる

C207ルナアーラのC+1メテオビームをDM時ヨロギ込み確定耐え

 

オーロンゲ いたずらごころ

持ち物 くろいてっきゅう

なまいき 202(252)-140-93(60)-×-132(196)-61(S個体値6)

イカサマ/トリック/リフレクター/ひかりのかべ

※通常ダイマックス個体

C222カイオーガの雨神秘の雫ダイストリーム(150)を光の壁込み最高乱数切り耐え
C202カイオーガの雨命の珠ダイストリーム(150)を光の壁込み確定耐え
鉄球持ちで最遅バレル-1
鉄球持ちS120+1

 

モロバレル さいせいりょく

持ち物 きあいのタスキ

おだやか 221(252)-×-164(111)-105-123(92)-48(S個体値27)

かふんだんご/キノコのほうし/いかりのこな/なやみのタネ

A244ザシアンのA+1きょじゅうざん確定耐え
最遅白バドレックス-1

 

 

構築経緯

(0)構築作成の軸

全国大会後、自身の取り組みを反省し世界大会に向けて再スタートした考察は、前々から感じていたこの環境の特性を明確にすることから始まりました。それは、「いくつかの構築タイプとの対戦で強烈な選出・行動択を押し付けられている」という点です。これはパワーの高いポケモンが環境に数多く存在することから発生する現象だと考えていましたが、これに対し自分なりに一つの結論を設定することにしました。

それは、「場を作れば初手からでも1体で崩壊させられるポケモン」が環境に存在する、ということです。対戦していてこのようなポケモンが構築に存在するだけでそれに対する対策リソースを常に考える必要があり、またそれらポケモンに対する盤面の隙を1ターン与えるだけで試合が崩されてしまうために、初手から不安定な立ち回りを強いられると考えました。

これらに該当すると私が結論付けたポケモンリザードンカイオーガ・白バドレックス(・レジエレキ)です。以下に、これらのポケモンの選考理由を示します。

 

リザードン

・晴れ下での圧倒的火力による全抜き性能

・キョダイゴクエンによるダメージレースの優位性

・耐久振りや持ち物等による”見えない行動保障”の作りやすさ

・相手へのダイマックスの強要性能

・ダイジェットによるS操作

カイオーガ

ダイマックスを必要としない全体高火力技:潮吹き・根源の波動

ダイマックス時の瞬間火力の高さとダイマックス択の存在

・耐久の高さによる非ダイマでの行動保障

ガオガエンへの処理速度

・晴れリザードンへの環境ほぼ唯一の対抗打

白バドレックス

・全体高火力技ブリザードランスの存在

・特性による単体での突破性能の高さ

・耐久の高さによる行動保障

トリックルームによるS操作

 

これらのポケモンはたとえ不利な状況でも単体で戦況をひっくり返すほどのパワーを秘めているため、積極的に構築の軸にすべきであり、またこれらのポケモンに簡単に負けうる構築は厳しいと考えました。そこで、この中からどのポケモンを採用するか、どのように対策するかから構築を考え始めることにしました

(レジエレキを別枠にしたのは、ダイマックス前提の性能かつ単体にしか干渉できない点、電気技しか火力が無いため他3体に比べ比較的受けやすい点を考慮して少し評価を下げていたからです。逆に、これらを加味しても非伝説かつ圧倒的な素早さからの異常なダイサンダーの火力を考慮して他3体に追記する形を取りました。)

ちなみに、ザシアンはこの4体に近い性能をしていますが、ダイマックスによる行動択が存在せず、単体に対する打点しか持たず、威嚇等で比較的受けられる盤面を作りやすいことからこの軸からは外しました。

 

 

(1)伝説枠の推移

まず初めに注目したのが、グラリザ白バドの構築です。この構築はリザードンと白バドレックスを採用しつつ、さらにレジエレキを無理なく採用できるため、構築パワーがとても高いと考えました。

 

この構築を使用してみて感じたことは以下の通りです。

〈強み〉

 ①ダイマ珠エレキ+補助(グラ)の並びがオーガに強い

 ②エレキ白バドの対応力・パワーが素晴らしい

 ③ザシアンに対する圧力が高い

 ④グラードンによって自然にレジエレキへの対策が出来る

 ⑤白バドトリル系にも十分殴り合える

〈課題〉

 ①ポリゴン2の仕事が薄く腐りやすい

 ②ガエンに対する処理速度が速くない

 ③相手のリザがどの場面においてもきつい

 

 

特に②③の2つの課題点は致命的だったので、対策を考えることにしました。

 

②のガオガエンの処理については、グラードン・白バドレックスの型を根本的に見直すことにしました。

まず、グラードンの型変更として剣の舞やビルドアップといった積み技を考えました。しかし、剣の舞は使用できる盤面がかなり限られてしまう点、ビルドアップはそもそもA1段階上昇ではガオガエンのきつさを解消できない点がありました。

次に、バドレックスをHB鉄壁ボディプレス型で使用すると、これがとても強力だと分かりました。強さをまとめると以下の通りです。

白バドレックス@食べ残し
呑気HB ブリザードランス/ボディプレス/鉄壁/トリル

・鉄壁1回後のボディプレスでガエンを簡単に処理できる

・ザシアンやその他物理系統に対し圧倒的に強くなるため、相手の処理ルートを崩すことが出来る

・ガエンを処理するとAが上がるので威嚇を解除できる

・Aを全く振らなくてもブリザードランスの威力が高く問題ない

HBの調整は鉄壁を積めていない状態でも巨獣斬をほとんど耐えるため、相手との認識差から強気に動かすことができる

 

特に最後の点が重要で、襷やリリバといったザシアン受けのためのアイテムを必要としないところに魅力を感じました。上記の通り火力も問題なく、特性による火力上昇も含めて本来の全抜き性能もほとんど損なわれていない点をとても評価しました。

 

一方で、課題③のリザードンに対する対策はグラ白バドの2体やその取り巻きではどうすることもできず、またポリゴン2の枠を別のポケモンに変えて色々と試しましたがいずれにしてもかなり厳しいと感じてしまいました。リザードンは前述の通り対策必須ポケモンであり、このままこの構築を使用し続けるのは不可能だと判断しました。

 

そのため、感触の良かった耐久振り白バドレックスはそのままに、グラードンカイオーガに変更することでリザードンに対しより余裕をもって立ち回れるようにしようと思い、伝説枠をオーガ白バドの並びに変更しました

この2体の並びは環境最初期こそ存在したものの、環境が進むにつれかなり数を減らしていました。しかし、カイオーガが苦手な草タイプに白バドレックスが有利であり、同じく苦手な電気タイプについては環境に存在するのがどれも素早さの高いポケモンばかりのためバドレックスのトリックルームによる展開に対応できません。逆にバドレックスが処理に手間取る鋼タイプやガオガエンに対してはカイオーガが圧力をかけられるため、相性は抜群の並びだと考えられます。

 

 

(2)基本の4体の決定

前述の強み②から、レジエレキ+白バドレックスの並びに対しかなりの信頼を置いていたのでそのまま命の珠レジエレキの採用を決めました。この2体の並びは行動の選択肢が広く、かつ相手に対し与える負担がとても大きいため初手からほとんどの並びに対して主導権を握ることが出来ると考えました。また、同じ並びからの選択肢の広さはそのままBo3での強さに直結すると考えていたので、その点でも採用しない理由はないと考えました。

 

また、レジエレキ採用により強み①による対カイオーガの展開も可能だと考え、補助枠としてモロバレルを選択しました。バドレックスのトリックルーム展開や伝説2体の攻撃の補助としても優秀なので、これも相性は抜群と言えます。

レジエレキ+モロバレルの並びはカイオーガに対する行動抑制の性能が極めて高く、ダイマックスの有無にかかわらずモロバレルの処理が厳しい上にダイマックスをしなければレジエレキの攻撃を受けることが出来ません。そして、モロバレルの処理に対し、ダイアイスは調整や持ち物次第で十分耐えることが出来ます。さらに、相手視点レジエレキのダイマックスが想定できるため、カイオーガ側がキノコの胞子ケアのダイサンダーを打ちにくい(レジエレキが打つように見えるためわざわざ打つ必要を感じにくい)並びになっています。そのため、こちらは守るやボルトチェンジダイマックスを温存しつつ胞子を通すという立ち回りも可能でです。怒りの粉+レジエレキダイマックスの選択肢も合わせるとこれら全てをカイオーガ側が対応することはほぼ不可能なため、初手からのカイオーガ展開に対しての強烈なメタになると考えました。

 

 

これら4体の並びは、どのような並びになっても相手に圧力をかけ続けられるため行動の選択肢が極めて多く、Bo3においても対応が困難だと感じました。そのため、この4体を構築の軸と定め、各ポケモンの型を調整しました。

まず、カイオーガの採用によりガオガエンの処理を考える必要がなくなったため、バドレックスの型が選択できるようになりました。従来のHAや襷AS等も考えましたが、HB型の強みとして最も評価した「ザシアンに対し受け身な持ち物を必要とせず動かせる」点を活かすため、バドレックスのパワーを最大限高められるHB弱点保険という特殊な型を採用しました。この4体におけるS操作はバドレックスのトリックルームのみなので、これをほぼどの対面でも遂行できる耐久振りは依然として魅力的でした。これによって、弱点技を耐えて弱点保険を起動しつつトリックルームを張り、上から強力なブリザードランスで大幅に削りつつカイオーガやレジエレキを通す展開が分かりやすく強力な試合プランの1つとして用意出来ました。

 

次に、カイオーガを使用する上で対策必須となるトリトドンについて考えることにしました。現状ではトリトドンの処理がとても厳しいためモロバレルやバドレックスに草技を採用することも考えましたが、ピンポイントな技選択になるため構築の軸になっているこの2体には採用したくありませんでした。非伝説でありパワーも高くないトリトドンのためだけに1枠ポケモンを割くのも得策ではありません。

そこで、カイオーガトリトドンに対し強くなれるような方法を模索した結果、瞑想食べ残し型を考えました。トリトドンの呼び水と欠伸によるカイオーガの行動阻止に対し瞑想を積むことで、仮に眠り状態になってしまってもトリトドンがDの上がったカイオーガを処理することは出来ません。さらに、Cが上昇するとカイオーガの氷技の威力も上がるため、本来攻撃を受けられるはずのトリトドンを氷技で容易に突破できるようになります。特にこの氷技の威力上昇は従来環境に存在する珠やチョッキを持ったカイオーガとの強烈な差別点であり、水技が範囲技であることも加味すると非ダイマ状態ではトリトドンに弱いという認識すら覆すほどの利点だと私は考えています。

 

また、トリックルーム対策として多く採用されているモロバレルについても考える必要がありました。特にカイオーガは耐久に努力値を割く関係上瞑想を積めていない時の火力不足や技構成に電気技が入らない点からモロバレルとの対面がかなり厳しくなっていました。カイオーガ+モロバレルの並びから瞑想を積む動きが試合プランの一つとして確立していたため、この弱点は致命的でした。

この点に対応するため、モロバレルに悩みの種を採用しましたモロバレルと対面したカイオーガに使用することで胞子を無効化することが出来るため、不利対面が一転して瞑想を積む隙を得られる有利対面になります。他にも、トリトドンに打つことで呼び水を無効化したり、4体で処理が不可能だったヌケニンに対する回答になったりと使用する場面はかなり多いため、腐りにくく構築全体の補助が出来る技として胞子と並んで強力な技となりました。

 

以上の調整により、この4体の並びが最大限パワーを発揮しつつ、生半可な対策ポケモンに対しても一転して有利になれるような対策困難な軸に仕上がりました。

 

 

 

(3)初期案の改善点

ここまでを踏まえた上で、以下のような構築を使用して調整していました。(赤字は新たに確定した要素、青字は不確定要素として使用したもの)

 

エルフーンは追い風入りのカイオーガや黒バドレックス構築に対する切り返しとして、ガオガエンは構築全体として少し処理が面倒なゴリランダーを牽制しつつカイオーガやバドレックスを補助するためにそれぞれ採用しました。

 

 

この構築を使用して感じたことは以下の通りです。

①耐久振りバドのS操作が強力

②エルフのトリルが追い風ミラーに強い

③エルフの光の壁が黒バドや龍伝説(ディアルガ等)に強い

④エルフの選出率が極端に低い(追い風を使用しない)

⑤オーガの潮吹きが打ちにくい

⑥リザグラ系の構築に対しやや不安定

弱保起動前のバドが腐りやすい

⑧雨状態でガエンがゴリラを処理できない

フシギバナが止められない

 

②④のように、エルフーンはミラー等でのトリックルームこそ強力なもののそれ以外の追い風を目的とした選出をすることがほとんどなく、またミラーでのトリックルームによる切り返しはBo3で通用するものではないと考えられたため、エルフーンである必要があまりにも薄い状態となっていました。この点と相まって、追い風+潮吹きのような展開も少なかったため⑤の通り潮吹きの使用頻度がかなり少なかったです。その一方で、③のように黒バドレックスやディアルガに対して光の壁+レジエレキorカイオーガがかなり強く、立ち回りも安定していたのでこの役割は必要だと感じました。

また、ガオガエンも役割が薄く、威嚇や猫騙しによる補助は当然優秀ではあるものの役割対象であるゴリランダーに対し⑧のように圧力をかけることは出来ず、他に必ず必要な役割対象は存在しません。更に基本の4体を外して選出すると著しくパワーと対応力が落ちる点も気になりました。これはエルフーンも同様でした。

バドレックスについては、①の通り安定したS操作役としての役割をこなせる点が素晴らしかった反面、⑦のようなどうしても威嚇を繰り返し貰った際に出来ることが少ないのが気になりました。この構築は耐久が高いポケモンが多いためある程度数値を活かしてのサイクルは可能なものの、基本の動きが対面寄りであるので基本の4体で唯一放置される危険性があるという課題が見つかりました。ダイマエースを試合に合わせて立ち回れるのがこの構築の強みですが、それでも1体が機能しなくなると受けが成立してしまうのでこの点は改善の余地がありました。

そして、最も問題だと考えたのが、⑥⑨のようにグラリザバナを含む構築に対し立ち回りが安定しないことです。レジエレキやカイオーガダイマックスでは比較的楽に対応されてしまう場面があるのも問題ですが、何よりもフシギバナに対しダイマックスの有無に関わらずどうしようもないことに気が付きました。WCSの、特にDay1に関してはフシギバナを使う海外選手は少なからずいると考えていたので、これは絶対に解決したい問題でした。このような構築に対し有効なダイマックスポケモンを採用するのも一考の余地があると思い、探すことにしました。

 

以上の問題点から改善すべき点をまとめると、以下のようになりました。

・バドレックスの行動選択肢を広げる

エルフーンの代役:対黒バドレックス

・グラリザバナ系用のダイマエース

フシギバナへの対抗手段

・ゴリランダーの処理ルート確保

 

 

(4)最終調整と第4のエース

まず、バドレックスの行動をより強力なものにするため、バドレックスに手助けとヘビーボンバーを採用しました

手助けは隣にレジエレキやカイオーガといったダイマックスポケモンと並ぶ場面が少なくないこのポケモンに手助けを採用することで、一気に瞬間的な突破力が上がります。このルールでは、パワーの高いダイマエースを止め得るポケモンを1体倒すだけでそのまま全抜き出来るといった状況は珍しくありません。この状況を作り出すためにも、瞬間的に火力を補強できる手助けは非常に強力で、かつ警戒も対応もしにくいバドレックスによるこの行動は相手の試合プランを一気に崩すことが出来ます。相手はトリックルームを警戒すると猫騙しを使用したり守るを使用せず行動する必要が出てくるため、手助け+ダイマックス技が通りやすいです。

ヘビーボンバーはダイスチル媒体として採用し、主にカイオーガと並べて使用します。従来のバドレックスは特性や弱点保険を駆使して相手を倒していく場合や相手の攻撃を受けるためにダイマックスを行うことがほとんどですが、瞑想カイオーガと並べてダイスチルを打つことでカイオーガで詰めていくといった試合プランを選択でき、威嚇等でバドレックスの攻撃を受けられたとしてもカイオーガの突破が不可能になるといった状態になることも少なくありません。既存の構築だとソルガレオディアルガによるダイマックスで見られるような行動ですが、ダイスチルバドレックスはこれを試合プランとして選択できるのが魅力になります。

 

また、他の改善点を一挙に解決する変更点として、リザードンと黒い鉄球オーロンゲを採用しました

オーロンゲは主に黒バドレックス構築に対するメタとして採用を決めました。優秀なタイプや光の壁、S操作をこなす器用さが言うまでもなく優秀で、このポケモンがいるだけで黒バドレックス構築に対する安定感が跳ね上がりました。また、黒い鉄球トリック+リザードンによりフシギバナに対する回答を用意しました。個人的にフシギバナに対する対策は厚めの方が安心感があったため、他のS操作やトリックルームと相性の良い後攻の尻尾トリックよりこちらを採用しています。

リザードンは主にグラードン入りの構築に対するダイマエースとしてやゴリランダーへのメタとして採用を決めました。グラードン入りの構築はどうしてもリザードンが重くなるため、このピン刺しは正解だと感じました。特にリザードン+カイオーガの並びが想像以上に強力で、雨状態ではダイジェット+カイオーガの水技が受からないが、晴れにするとリザードンを止めることが出来ないため、相手に強烈な圧力を押し付けることが出来ます。ゴリランダーに対してはリザードンダイマックスをすることなく強く出られるため、相手によってはダイマックスを前提としない選出も可能になっているのも評価が高かったです。

 

前述したとおりこの環境はリザードンカイオーガ・白バドレックス・レジエレキと共に中心的存在になっていると考えていたので、結果的に構築にこの4体が入ったことで環境でも最高レベルのパワーを確保できとても満足のいく並びになりました。見た目の良さも最高です。

 

これで構築6体の並びが決定しました。(赤字は新たに確定した要素、青字は不確定要素として使用したもの)

 

 

 

ここから細かい調整を行い構築が完成しました。

 

画像

 

 

 

個体解説


バドレックス(はくばじょうのすがた)
 じんばいったい

持ち物 じゃくてんほけん

わんぱく 207(252)-186(4)-214(196)-×-155(36)-73(20) 

リザードランス/ヘビーボンバー/てだすけ/トリックルーム

A221ザシアンのA+1きょじゅうざん最高乱数切り耐え
C161リザードンのキョダイゴクエン(150)最高乱数切り耐え
C202カイオーガの雨命の珠ダブルダメージ潮吹き確定耐え
S-2最速80族+1

 

数値ぶっ壊れポケモン。今回使用した耐久型では特に数値の暴力を見せつけ、耐性が皆無のタイプでありながらあらゆる攻撃を数値だけで受け続けました。攻撃面についても、無補正無振りですら最低限確保できるAの高さから放つ威力130全体技のチート技ブリザードランスによって全く火力不足を感じることはありませんでした。技威力の高さは偉大です。弱点保険と特性も相まって、従来の馬鹿火力エースと未知の耐久お化けポケモンという2面の強みを試合ごとに使い分けられる怪物に仕上がりました。

 

【配分】

ザシアンの攻撃を出来るだけ耐えられるようHBベースを意識しました。D方面はカイオーガの攻撃を受けてトリックルームを返せるよう意識して調整し、Sは鉄球を渡した最速フシギバナの上を取るために少し回しました。対白バドレックスに対してもS関係がはっきりしているため立ち回りやすくなりました。B方面の硬さは異常で、弱点である珠イベルタルイカサマやグラードンの晴れダイバーンをダイマックス無しで80%程のダメージに抑えるという異次元の耐久になっています。特化グラードンのダイアースは驚異の確定3発です。

 

【持ち物】

相手の想定外の耐久力により弱点技を耐え、盤面を切り返すことが多いためこれを強く活かすため弱点保険を採用しています。構築内に能動的な起動方法はほとんどありませんが、環境に弱点保険を採用した白バドレックスが少なくなってきたことや非ダイマ時に弱点技で早期処理を狙われることが多いのでほとんどの試合で発動しました。特にイカサマで処理を狙ってくる相手に対しては強烈なカウンターになることが多かったです。

 

【技】

ヘビーボンバー

ダイスチル媒体。自身やカイオーガを固めることで突破不可能な要塞に出来ます。特にカイオーガに対して瞬間火力が出しにくいソルガレオ構築やパルバド構築、カイオーガの突破手段を裏のゴリランダーに一任している構築に対して刺さり、瞑想と併せてカイオーガ単騎で相手を壊滅させられます。このようなダイマックスしつつ補助的な役割をこなすプランは相手視点想定できず、Bo3で使用すると以降のゲームで強烈に意識せざるを得ないため他の試合プランが通りやすくなります。ちなみにヘビーボンバーとして使用することは本当に全く無いです。ごく稀にオーロンゲに対して打ちたくなることがあるぐらい。非ダイマ時には腐ってしまうのがネックですが、そもそも非ダイマ時の攻撃技はブリザードランスしか打たないため困ったことは一度も無いです。

 

てだすけ

耐久振りバドレックスを最強たらしめる必殺技。レジエレキ・カイオーガリザードンというパワーの高いダイマエースを他に3体擁しているこの構築では使用頻度がかなり高く、展開の障害になるポケモンを一気に攻め落とすことが出来ます。耐久振りで集中しないと倒せないことや火力が低いこと、S操作を防ぎたい等の理由から猫騙しや集中攻撃、火力を下げて放置といった行動を取られやすいというこのポケモンの特性を逆手に取れるため、特にBo3において強烈な択を押し付けることが出来るのも良かったです。

 

その他の技候補

・10まんばりき

氷技のブリザードランスと併せて技範囲が優秀なためほとんどの場合採用されている技です。特にこの環境ではザシアンとガオガエンに対しての有効打として必須とされていますが、この構築ではどちらもレジエレキやカイオーガリザードンに処理を任せることが多いこと、またダイアースのD上昇を必要とする場面が存在しなかったことから採用しませんでした。実際にガオガエンの処理として欲しくなった試合はありませんでしたし、ザシアンに対しても必要な場面はありませんでした。しかし、唯一ザシオーガ構築に対してはどうしても最終盤面お互い無傷のザシアンとバドレックスが対面するという状況が起こり得たため、その場面のみで10万馬力が必要でした。WCSにてday2に進出し、ザシオーガ構築がほとんどだと感じた際には変更していたと思います。

・まもる

集中攻撃をされることが多かったため、欲しいと感じる場面はそこそこ多かったです。また、Bo3においても守るがないことが相手に知られてしまうと立ち回りが窮屈になるのでその点でも採用を考えました。しかし、手助けによる勝ちパターンが強力なことや守るが無くても立ち回りや耐久力で解決できることが多かったため悩んだ結果不採用にしました。

 

 

カイオーガ あめふらし

持ち物 たべのこし

ひかえめ 207(252)-×-135(196)-192(36)-162(12)-112(12)

こんげんのはどう/れいとうビーム/めいそう/まもる

A194ゴリランダーのグラスフィールド奇跡の種グラススライダー最高乱数切り耐え
S-2最速黒バドレックス+1
S-1最速100族+1
CD2n

 

GSの王。ダイマックスによる瞬間火力と耐久力も魅力的ですが、このポケモンの一番の強みはダイマックスの選択肢によって相手に圧力をかけつつ強力な全体技を連打していくことだと考えているため非ダイマ時の性能を意識し耐久振りを採用しました。また、瞑想型はチョッキオーガと同じく非ダイマ時の居座り性能を確保しつつ珠オーガ以上の圧力をかけることが出来ます。特に氷技の威力上昇が凄まじく、トリトドンやゴリランダーの突破が容易になるため従来の弱みをかなり解消することが出来ました。

 

【配分】

ゴリランダーに対する行動保障を意識しHBを種グラスラ耐えまで振りました。Sは最低限鉄球トリック後の黒バドレックスやダイアタック・ジェット後の100族は抜いておきたかったですが、グラードンとのS関係で下を取れると天候の取り合いやトリル下の動きが容易になるため出来るだけ下げました。同速になりやすいSラインですが諦めました。CとDは瞑想を意識して偶数にしています。

 

【技】

まもる

元々は潮吹きを採用していましたが、食べ残しとのシナジーや他のポケモンの守る採用数を意識した結果どうしても必要になり採用しました。

 

その他の技候補

・しおふき

全体高火力技としても威力150ダイストリームの媒体としても優秀な技ですが、この構築ではカイオーガを相手の攻撃のクッションとして使用することも多く、被弾回数が多かったため潮吹きを満足に選択できず採用を諦めました。火力面では根源の波動でも十分でしたが、命中不安とダイストリームの火力が微妙だったので出来れば採用したかったです。

 

 

レジエレキ トランジスタ

持ち物 いのちのたま

ひかえめ 159(28)-×-81(84)-167(252)-86(124)-223(20)

ライジングボルト/ボルトチェンジ/はかいこうせん/まもる

A194ゴリランダーの奇跡の種キョダイコランダ+珠ダメージをDM時最高乱数切り耐え
C183イベルタルの命の珠ダイアーク(130)確定耐え
最速黒バドレックス+1

 

火力お化けポケモン。この構築でのダイマックス回数は恐らくトップだと思います。珠ダイサンダーの火力が壊れているのは言わずもがなですが、手助けと併せると耐えられるポケモンはほとんど存在しません。このポケモンダイマックスはエレキフィールドを張る前の火力がネックになりますが、そこを手助けでカバーすることで初手から相手のダイマポケモンを吹き飛ばし、そのまま4体倒してしまうことも少なくありませんでした。チンパンジー以下の脳筋行動ですが、Bo3で1ゲーム簡単に取れるほどのパワーなので大好きでした。

 

【配分】

ダイマックスの火力を意識してCは特化。Sに関しては控え目の性格で抜きたいポケモンが黒バドレックスだけだったのでギリギリまで下げました。これにより、相手のダイマレジエレキとの対面で「相手のダイサンダー⇒エレキフィールド展開⇒こちらのフィールド手助けダイサンダー」の動きによりほとんどのダイマレジエレキを1発で倒すことが出来ます。この動きが決まるとまず間違いなく相手はレジエレキを止められないので、ダイマレジエレキを軸にした構築に対しての強力なカウンターになります。

耐久に関しては、構築全体で重いイベルタルに強くなれるようD方面を意識して調整しています。B方面については、ダイマックスされることが多いゴリランダーの攻撃を意識し、ダイマレジエレキが2回動けるようにしました。

 

【技】

はかいこうせん

ダイアタック媒体です。一般にダイジェット媒体の飛び跳ねると選択になりますが、レジエレキが倒れた後にカイオーガやバドレックスを着地させることが多かったこと、相手のダイジェット展開を阻止したい場面が存在したことからこちらを選択しました。

 

その他の技候補

・エレキネット

ダイマ時のS操作技です。破壊光線とは使用場面は重なるものの性質が全く異なるため悩みましたが、ダイマックス中の柔軟性を重視して採用を見送りました。全体技としても優秀なのでこちらでも良いかもしれません。

 

 

リザードン サンパワー

持ち物 ヨロギのみ

おくびょう 157(28)-×-99(4)-157(220)-106(4)-167(252)

ぼうふう/ブラストバーン/ソーラービーム/まもる

C207ルナアーラのC+1メテオビームをDM時ヨロギ込み確定耐え

 

環境最強ダイマックスポケモン主にグラードンディアルガ、一部の黒バドレックス構築に選出しました。今回は晴れとの組み合わせではありませんが、それでもキョダイゴクエンが強すぎました。また、グラードンが相手にいると途端に一体で試合を壊滅させる本来の化け物の姿が見られたので、採用は間違いなかったと思います。このポケモンで削りバドレックスやカイオーガの圏内に押し込む動きが単純ながら強力でした。

 

【配分・持ち物】

初めは耐久振り突撃チョッキにすることで黒バドレックスやリザードンミラーに強くなるようにしていました。しかし、オーロンゲの光の壁によってチョッキが無くとも黒バドに対し強く動かせること、リザードン系には横のグラードンルナアーラを考慮するとヨロギでないことによる行動保障の無さに不安を覚えたことから結局は同速勝負が出来るCSヨロギの調整に変更しました。また、グラルナ系に投げることを意識しているためメテオビームを確実に耐えられるよう耐久を調整しました。

 

【技】

ぼうふう

ダイジェット媒体としてももちろん優秀ですが、この構築では対ゴリランダー用として必要不可欠です。相手のゴリランダーに合わせてリザードンを選出し、非ダイマでの対面で処理することが多々あるので火力重視でエアスラッシュではなくこちらを採用しています。カイオーガの雨によって必中になるため雨下でも十分火力を出すことが出来るのが好感触でした。

ソーラービーム

トリトドンへのピンポイント採用です。相手のトリトドン交代に合わせてカイオーガで瞑想を積むと、相手は基本的にトリトドンダイマックスで切り返すしか選択肢が無くなりますが、それに対してダイソウゲンで早期処理できるように採用しました。この場面でしか使用しないので本当に必要だったかは微妙ですが、トリトドンを簡単に処理する手段を一つは入れておきたかったので間違いではなかったように思います。

 

その他の技候補

ウェザーボール

ダイマックス時は雨下ダイストリームでガオガエンを倒すことが出来ます。カイオーガを出すとガオガエンは裏に引いてしまうため、オーガを投げながらこの動きが出来ると強いです。また、ダイマ時でも雨下は同様に水技が強力で、晴れ下であっても命中安定威力100の技として非常に使いやすい炎技になります。特にこの非ダイマ時の性能を大きく引き上げるため是非とも採用したかったのですが、あると便利な程度で必要不可欠な技というわけではなく、またソーラービームがピンポイントながら無いと困る場面が存在するためやむなく採用を止めました。恐らくこちらを採用した方が強いと思います。

 

 

オーロンゲ いたずらごころ

持ち物 くろいてっきゅう

なまいき 202(252)-140-93(60)-×-132(196)-61(S個体値6)

イカサマ/トリック/リフレクター/ひかりのかべ

※通常ダイマックス個体

C222カイオーガの雨神秘の雫ダイストリーム(150)を光の壁込み最高乱数切り耐え
C202カイオーガの雨命の珠ダイストリーム(150)を光の壁込み確定耐え
鉄球持ちで最遅バレル-1
鉄球持ちS120+1

 

便利屋ポケモン。主に黒バドレックス構築やトリックルーム構築、フシギバナ入りの晴れ構築に選出します。あまりの汎用性の高さと選出のしやすさから逆に使いどころが分からず、剣盾でほとんど使う機会がありませんでしたが、最後の最後でようやく和解出来ました。この構築は耐久の高いアタッカーが多く、リフレクター・光の壁と併せるととんでもない場持ちになるため、最後に採用したにも関わらず親和性はとても高いです。通常ダイマックス個体で採用しているのはトリル下でダイアーク⇒根源の波動という動きをする可能性があるためです。

 

【配分】

黒バドレックス+カイオーガの構築を意識し、Dに寄せた配分にしました。光の壁込みでほぼ全てのカイオーガの攻撃を耐えられるようにし、安定して2回以上行動が出来るようにしています。

Sについては、鉄球を持った状態で最遅モロバレルのS実数値31より遅くなるようにしつつ出来るだけ速くした61に設定しました。これにより、トリル下でオーロンゲの行動を胞子で止めに来る相手に対して上からイカサマを打つことができ、相手の白バドレックスを処理しやすくなります。更に、鉄球トリックを相手のルナアーラに当てることでパワフルハーブを取り上げつつ、Sに努力値をあまり割いていない相手に対しては上からイカサマを打つことが出来ます。これにより、ルナアーラに対してリザードン+オーロンゲで対面した時、ルナアーラの隣にゴクエン+ルナアーラにトリック⇒ルナアーラがメテオビームを選択するも溜めが生じる⇒ゴクエンのスリップダメージでファントムガードが消える⇒ルナアーラの交代が出来ないため上からのイカサマで処理」という動きが可能です。耐久振りルナアーラはS+1でボルトロスの上からメテオビームを打てるS120の調整が分かりやすい指標だと考えたため、ここまでをトリックで抜けるようS61にしています。

 

【技】

イカサマ

オーロンゲの攻撃技として一番強い技と思い採用。黒バドレックスの処理のため悪技が必須だと考えていたのでソウルクラッシュではなくこちらを採用しました。対黒バドだけなら不意打ちも選択肢ですが、他のポケモンにも安定して打てる汎用性やサイコフィールドで打てないことを気にしてこちらを選択しました。

リフレクター

黒バドレックス戦でほぼ必ず使用する光の壁とは違いこちらは必須ではありませんが、リフレクターを張ることでカイオーガとバドレックスの動かしやすさが段違いになるため使用頻度が高く、そのまま採用することになりました。必ず必要な場面は存在しないので他の技でも良かったかもしれないです。

 

その他の技候補

・うそなき

特殊アタッカー、特にリザードンの突破力を上げるために採用したかった技。これにより晴れ下でなくても疑似的に同等の火力が出せるので、行動の選択肢がかなり広がります。もちろんレジエレキやカイオーガと併せるととんでもない火力が期待できるため、技スペースがあるなら面白い技だと思います。

 

 

 

モロバレル さいせいりょく

持ち物 きあいのタスキ

おだやか 221(252)-×-164(111)-105-123(92)-48(S個体値27)

かふんだんご/キノコのほうし/いかりのこな/なやみのタネ

A244ザシアンのA+1きょじゅうざん確定耐え
最遅白バドレックス-1

 

構築の補助の要。環境最強アタッカーであるカイオーガ・レジエレキに強く、トリル下で白バドレックスも止められるという優秀すぎるポケモン。構築経緯での考察の通り、これらのポケモンは一度隙を作るとそれだけで試合を壊されかねないため、安易な攻めを許さないこのポケモンはそれだけで価値が高いと感じました。もちろん胞子や粉、花粉団子による隣のエースアタッカーのサポートも強く、攻めでも守りでも軸となって活躍してくれました。

 

【配分】

受ける攻撃がレジエレキやカイオーガであるためD方面を厚めにしたいと考えていましたが、最低限巨獣斬を耐えないと厳しい場面が多かったのでBにも回しました。ここまで振ることで霰ダメ+巨獣斬もほとんど耐えることが可能なので、耐久ラインは納得していました。Sはトリル下で白バドレックスの上を取れる値にしつつ出来るだけ速くしました。ダイアタックやダイジェット、鉄球トリックと併せて抜けるようになる相手は少なくないため、この調整はとても便利でした。

 

【持ち物】

カイオーガとの対面で行動保障が欲しいため気合の襷とヤチェで悩みました。しかし、リザグラに対しリザードン+モロバレルの並びが強いと気づき、リザードンの攻撃を受けるために襷が必要になったので採用を決めました。襷が構築の中で余っていたことや、襷自体は他でも発動することがあったので悩む意味すらなかったかもしれません。

 

【技】

かふんだんご

攻撃技としては微妙ですが、弱保起動後のバドレックスや瞑想オーガに当てると試合を決めるほどの性能があるためほとんど迷わず採用しました。イカサマ等も考えましたが、このポケモンで殴る必要がある場面はほとんどありませんでした。

なやみのタネ

モロバレル用として、カイオーガを動かしやすくするために採用しました。トリトドンヌケニンのような特性依存のポケモンに対して打つことで相手のプランを崩せるため、胞子や粉と並んでとても汎用性の高い技です。寝ている状態でも打つことで即時起床するため、後出しで打つのも強力でした。ただし、バドレックスには無効なのでそこは注意する必要があります

 

その他の技候補

・まもる

基本的にヘイトを集めやすく、狙われやすいポケモンなので守るは欲しい場面がかなりあります。しかし、悩みの種がかなり強力であること、守るがなくてもどうにか立ち回れることから泣く泣く外しました。

 

 

 

 

選出・立ち回り

この構築は、ダイマエースを4体採用し相手に合わせてパワーの高い選出を可能にしています。また、横の並びとして相性の悪い組み合わせは全く無く、初手の並びに関しては6体の組み合わせ15通り全てを使用します。また、構築に用意している勝ちパターンも多いため、どのような選出であってもいずれかの試合プランを選択して明確な勝ち筋を追うことが出来ます。以下に、この構築における主な勝ちパターンを紹介します。基本的にこの中のいずれかを試合中に選択してその勝ち筋を追うことになります。

ダイマエレキ・リザで相手を削りオーガ・バドで倒しきる

・手助け+ダイマエレキで初手から全抜きを狙う

・バドバレルで相手のダイマを枯らしつつオーガとエレキで打開

・ボルチェントリルからバドオーガで削りつつ裏のエレキで倒す

・オーガバレルで瞑想しダイマオーガで全抜きを狙う

・瞑想オーガ+バドのダイスチルで詰ませに行く

・壁+ダイマバドで倒しきる

 

・基本選出

先発 後発

この選出が最もパワー・対応力共に高いので積極的に選出を狙います。以降に各構築への選出を紹介しますが、Bo3では2戦目以降この選出に切り替えることも多いです。

初手のレジエレキ+バドレックスで出来る主な選択肢としては、

①レジエレキダイマ+ランス・トリル・手助け・バレル引き
ボルトチェンジ(バレル・オーガ)+トリル・バドダイマ
ボルトチェンジ(バド)+バレル引き

があり、強烈な行動択を押し付けつつ相手の先発から自分の試合プランを決定できるのがこの選出の強みです。特に、ダイマエレキ+バドレックスの並びは耐久力・火力共に凄まじいため、ほとんどの相手に対して殴り合いで負けることはないと思います。

 

 

・オーガザシアン構築(追い風無し)

+

 

選出①

先発 後発oror

選出②

先発 後発+or

 

基本的なプランとしてはダイマレジエレキ+モロバレルを通すことです。相手の勝ち筋としては大まかにモロバレルを突破してオーガを通すorゴリランダーのダイマでバレルごと貫通する」の2パターンに分かれます。

前者はオーガやバドをクッションにしつつエレキバレルを大切に扱うと比較的簡単に処理できます。その際、エレキのボルトチェンジがかなり有効になるので活用しましょう。ただし、相手のロンゲがトリック型の場合安易なボルチェンが出来ないため、1戦目は少し安全に動くと良いと思います。

後者はゴリランダーが先発か後発かで動きが変わります。先発の場合はエレキダイマを切り合う展開は出来るだけ避けたいので、選出①であればバレル引き+ボルチェンバレル出し等でダイマックスを凌ぐ立ち回りが必要になります。後発の場合はこちらのエレキで先に展開が出来るため、ダイマックスを切ってしまっても問題ありません。ただし、この場合最終盤面でゴリラ対オーガになっても勝てるようグラスフィールドは絶対に無くした状態にしましょう。もしくは、オーガではなくリザを選出し、ゴリラと対面させることで楽に勝てる場合も多いです。強気にリザを選出するパターンも考慮しておきましょう。

 

 

・オーガザシアン構築(エルフーン入り)

+

 

選出①

先発 後発()

選出②

先発 後発

 

選出①はエルフオーガ意識、選出②はそれ以外の選出やオーガの火力が低いと分かった2戦目以降で使用します。

選出①では基本的に守る+胞子に対するエルフオーガ側の対抗手段がほぼありません。エレキダイマまで考慮するとチョッキでないゴリラで受けることが困難だからです。また、構築経緯でも述べた通り、この先発に対しカイオーガ側がダイサンダーを打ちにくいため、胞子を受けることはほぼ出来ません。相手の守る+追い風に対しても、こちらは次ターンオーガ引き胞子で問題ないです。相手の攻め手を減らしてから、こちらで瞑想オーガかレジエレキダイマを通しましょう。

ただし、エルフに挑発があると守る+胞子が裏目になってしまいます。この場合行動択になってしまうため難しくなりますが、バドのトリルとバレルの胞子を同時に仕掛けるような盤面を目指すと良いです。挑発エルフ+眼鏡オーガは無理です。

 

 

・オーガザシアン構築(トルネロス入り)

+

 

選出①

先発 後発()

選出②

先発 後発oror

選出③

先発 後発

基本はエルフ入りオーガザシアン構築と同じですが、初手はトルネオーガに対し「トルネ側ボルチェン+オーガ側胞子」を押します。相手の追い風+潮吹きによってレジエレキは倒されてしまいますが、この場合オーガを眠らせつつバドでトリックルーム+オーガ着地まで展開できるため、そのままトリル下で押し切れます。その他の行動に対してはエレキのボルチェンが通り、オーガバレルの並びを作ってから削りを入れられる展開になります。

選出②はオーガの耐久が低い場合には有効です。ゴリランダーがいないためロンゲが動きやすく、オーガをトリック+ダイサンダーで縛りつつ壁を張って裏の伝説を通す展開を目指せます。

 

 

グラードン構築(RinyaSun)

 

選出①

先発 後発

 

選出②

先発 後発

選出①ではリザードンダイマで相手を削りつつ、瞑想オーガにジェットを乗せる展開とバドでスイッチして瞑想オーガで詰める展開を相手の行動に合わせて選択します。ヨロギリザ+襷バレルはほとんどの先発に対して安定して役割を持てるため、多少強引に攻めても裏のバドオーガが刈り取ってくれます。

選出②は相手のリザを先発に置かない選出に合わせます。特にロンゲガエン等の圧力が低い先発に対して有効で、オーガの瞑想で一気にテンポを取って押していけます。バレルを切ってリザオーガの並びが出来ればほぼ負けることはありません。相手に雨瞑想オーガと晴れダイマリザの強烈な2択を押し付けましょう

 

 

グラードン構築(フシギバナ入り)

+

 

先発 後発()

フシギバナへの隙を出来るだけ見せないよう初手ロンゲリザを投げます。相手もロンゲリザがかなりきついはずで、トリックや壁を駆使してリザを上手く通しつつオーガを着地させればかなり有利に展開できます。ルナアーラや黒バドに対してはロンゲか瞑想を積んだオーガがいれば勝てるので、そのどちらかを盤面に用意した状態で試合を進めるように意識しましょう。相手のレジエレキが通ると厳しいため、壁+トリルで切り返すプランも視野に入れておきます。

 

 

・グラ白バド構築

+

選出①

先発 後発oror

選出②

先発+or 後発

相手の先発はエレキバドやエレキグラ、エレキガエンが多いです。相手がエレキを選出している場合はエレキで、そうでない場合はリザでダイマを切れば有利に戦えます。特に、相手のダイマエレキに対して手助けフィールドダイサンダーでワンパンする動きは相手視点全く見えないため、これで1ゲーム取りに行くつもりで動きます。グラードンダイマックスしてきても、ダイマターンを枯らしつつダイアタックでオーガやバドが上を取れるようにしておくと簡単に処理できます。

トリトドンが構築に入っている場合、グラトドンの地面2枚でエレキに圧力がかかり厳しいのでダイマはリザに切りましょう。この場合、バレルを必ず選出し電気技の受けが利くようにしておく必要があります。グラードンがチョッキでない場合は手助け晴れゴクエンでダイマグラをほぼ一発で倒せることも覚えておきましょう。

 

 

・白バドトリル構築

+

 

選出①

先発 後発

選出②

先発 後発

基本的には選出①を選択します。相手にレジエレキがおらず、バドが前から来る選出に対してのみ選出②を使用します。

オーガで瞑想を連打しつつロンゲとバレルでHP管理をしていればそれだけでほとんどの場合試合が終わります。バレルの悩みの種が決まれば、負け筋はパルキアの亜空切断3連急所ぐらいになるためさっさとパルキアを処理してしまいましょう。パルキアを倒せば後はオーガが倒れてしまってもバドでダイスチルを連打しているだけで勝てます。レヒレにダイアースを乗せられると一見突破が難しいようですが、しっかりオーガで瞑想を積めていれば普通に貫通出来ます。黒い霧持ちの場合はパルキアの突破だけ考えましょう。

 

 

・黒バドザシアン構築

+

 

選出①

先発 後発+or

選出②

先発 後発+oror

選出③

先発 後発

基本は選出①を選択し、相手に追い風が無い場合は選出③との選択になります。選出②はリザの通りが良い時のみ。相手の立ち回りの仕方によって必要な後発のポケモンが変わるため、選出が非常に難しいです。相手側はレジエレキの処理が第一目標のため、初手からゴリラトドンのようなレジエレキガンメタの投げ方をされることも多いです。レジエレキメタがそのままオーガに刺さってしまうためオーガの選出率はかなり低くなります。また、ゴリラトドン処理のためバドはほぼ必須です。

追い風入りに対しては壁とトリックを駆使して殴り合えば基本的に問題ないです。壁があればほとんどの対面でトリルによる切り返しも成功します。スタン寄りの並びだとサイクル戦を仕掛けられることも多く、こちらはダイマエレキで崩しに行くことが難しいためかなりしんどくなります。どこかでバレルの胞子やバドの特性によるA上昇が出来ればそのまま崩せるため、辛抱強く機会を待ちましょう。

 

 

ディアルガ構築

+

 

先発 後発+oror

先発ダイマディアルガに合わせてリザでダイマをし、スリップダメージでディアルガを削りつつ隣を倒しに行きましょう。基本的にディアルガにダイサンダーがある場合は初手から打ってきますし、そうでない場合はバレルを倒しに来るため怒りの粉を打っておくのが安定になります。技構成が割れた2戦目以降は積極的に胞子を打っていけます。

 

 

ソルガレオ構築

+


先発 後発+or

ソルガレオダイマを凌ぎつつオーガで瞑想を積み、そこから強引に突破を図るかバドでダイマを切ってスチルでオーガを固めることで勝つことが出来ます。ただし、弱保ソルガレオの状態だとダイマターンを凌ぐのがかなり厳しいため相当きついマッチです。横のムゲンダイナでコスモパワーを積まれた場合はオーガで他を一掃した後瞑想を積み切って殴り合いましょう。ダイナにどくどくが入っていた場合は急所しか勝ち筋がありません。

 

 

イベルタル構築

+


選出①

先発 後発

選出②

先発 後発+or

この構築はダイマイベルタルがとても重く、エレキとバドで圧力をかけ続けるようにしてどうにか対処するしかありません。手助けダイサンダーがイベルに通ったらラッキーです。上手くダイマエレキかダイマバドを通せるように立ち回ります。

ただし、構築にライチュウ等の避雷針持ちがいるとエレキで戦うのがかなり窮屈になってしまいます。その場合はリザで対処するか、ダイマせずライチュウを処理してからエレキを通すようにしたいです。正直このマッチは相手が上手いとほぼ勝てません。

 

 

 

あとがき

ここまでの閲覧ありがとうございました。

今回の構築は、強さも性能も見た目もとても満足のいくものであり、私が剣盾で作成した構築の中でも最高のものが出来たと思っています。構築の内容としてもかなりBo3を意識し多くの勝ちパターンを用意できたものになりました。そのため、WCSであまり芳しい結果を残せなかったことは本当に悔しいです。day1通過は出来ると思っていたので自分の浅はかさを痛感する結果となりました。当たった相手はほとんど日本人でしたが、負けた相手は皆day2に進出したので完全に実力不足でした。

全国大会の後、自身の取り組み方を振り返り世界大会に向けて修正しようと試みました。反省点や改善点として挙げた部分についてはかなり意識して考察や練習に取り組んだつもりで、その点は良かったと思っています。構築自体もかなり早い段階である程度完成しており、その分各構築に対する練習時間を確保できたのも好感触だったので、今後の参考になると考えています。

世界大会後、既にいくつかの構築記事が公開されています。そのほとんどが私より遥かに強いプレイヤーの素晴らしい結果と共に公開されているわけですが、構築経緯や構成よりも各構築への立ち回り方に私との大きな差を感じています。”構築の練度”と言われる要素だと思いますが、大会中でも大会後でもこの差を痛感することが多く、来年以降はこの部分についてトッププレイヤー達との差を埋められるよう意識して取り組もうと思います。

公式大会は来年から新作での開催になります。3年間の取り組み方を振り返りつつ新しい環境でも成長できるよう頑張ります。

 

最後に、繰り返しになりますがここまで読んでいただいてありがとうございました。構築に関する感想や質問がありましたら私(@take_grand)にいつでも連絡下さい。また、意見や改善点等ありましたら是非教えていただきたいです。

 

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〈special thanks〉

環境考察や構築作成、練習に付き合っていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

さしすさん(@sasisu_memo)

ユーカリ(@yuukari_poke)

cona(@cona_5757)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈おまけ:WCSの思い出〉

悲しみの日本人5連マッチ

次は海外選手と交流したいなあ

 

 

撮られるならやなぎぐらいガッツポーズすれば良かった

考えてるだけで頭抱えてるわけではないです